【おすすめ】PSYCHO-PASS キャラクター
PSYCHO-PASSのすごいところは、
キャラクターが練り上げられていること。
それぞれが色々な持論を持つ濃いキャラクターでなければ
この話は単なる猟奇事件ものになりさがっているところだと思う。
常守 朱(つねもり あかね)
主人公・新卒の公安監視官
罪を捌きたい、復讐したい、誰かを守りたいという人間ならある感情を超えて、
法を大事にする考え方を持つ。
最初は優等生な甘ちゃんかと思って話を見ていたので、
私はあまり好きなタイプじゃないし、「なんかイライラするなーこの子」
っていう感想を持ってただけなのです。
しかし
常守が法を大事にするその前提を理解してからガラッと見方が変わりました。
過ちを犯したり道を踏み外したりすることもある人間だが
その同じ人間は 人を幸せにしたり、人を豊かにしたりする 助け合ったり支えあったりよりよくなっていこうとする善の部分も持っている。
法とは、その人間が脈々とした歴史の中で、
たくさんの人々が共に生きていく中で、より良くなっていきたいという願いをつむぎ、託してきたものなのだと。
人が人とより良くなっていくための祈りなのだと。
だからこそ、感情を排除して、法を守るべきだという彼女の意見に感動しました。
最初はよちよち新人の彼女が、自分の信じる道を迷いながらも決断しながら
選び、決意し行動していくことで周りを変えていく そんな成長が見れるところが
とても面白い話になっています。
篝 秀星(かがりしゅうせい)
常守監視官の部下 執行官
たった5歳で精神的な危険性が高いとシビュラシステムに判断され、潜在的には犯罪者扱いをされ、幼少期からを隔離病棟に逮捕?隔離されていた経緯がある
心に残るのは
シビュラシステムに全ての適性を持って あらゆる人生を選べた超優等生の常守が
「自分は一体何に向いてるのだろう」
と悩んだ話を篝にした場面
「あんたは何にでも慣れた どんな人生も選ぶことができた
今じゃシステムが そいつの才能を読み取って一番幸せなれる生き方を教えてくれるってのに
本当の人生?
生まれてきた意味?
そんなもんで悩んでる奴がいるなんて考えたこともなかったよ
俺なんて 5歳でサイコパス検診に弾かれて以来
ずっと潜在犯だぜ
治療更生の見込みゼロ
だから俺はここにいる
一生隔離施設にいるより
公安局の猟犬になって殺し屋稼業を引き受ける方がましだからさ
俺にはそれしかなかった」
篝がシステムの犠牲者で、
自分の人生を自分では選べなかったその自分が
システム上の優等生でどんな人生でも選ぶことができた常守監視官とのやり取りの中で
彼の人生観と主張が伝わる。
一見軽くて子供っぽく何も考えてなさそうな感じなのに、自分の置かれた境遇を飲み込み、たくましく生きているそのギャップにこの話の奥深さを感じる。
彼の最期のシーンでのメッセージもとても深い。深淵を覗くような、システムに虐げられた人々の全ての思いを聞いたような感じがする
現代の社会での気づきとすれば、人は何にでもなれるからこそ悩む
そのこと自体は実はとてもとても幸せなことなんだと、
逆のメッセージを受け取ることができる。
とても深い話です。
狡噛 慎也(こうがみ しんや)
常守監視官のもとで監視・管理下に置かれる執行官という現場の部下の人
槙島に当時の部下を惨殺に殺され、復讐を誓うあまり心理的な犯罪係数をあげてしまい、自ら監視官から執行官に堕ちた経緯がある。
彼を一言で言うなら まっすぐな人だ。
第一話で新卒の常守監視官に理不尽に神経麻痺を起こす銃を撃たれても文句も言わずただ任務をこなす姿がなんともいじらしい。
あらゆる妨害にあっても自分の人生を棒に振っても槙島を殺すという目標に向かって
まっすぐなところが応援したくなる。
槙島 聖護(まきしま しょうご )
シビュラシステムでどんな犯罪意識が高くても社会批判精神を持っていても
システムでは犯罪係数として検知されない
人をカミソリで殺してみても心理的に犯罪を犯している人として検知されないという
どんだけすごい設定なのかという犯罪者
それを利用して、世の中に犯罪をしたいという気持ちを持っている人をそそのかし支援して犯罪を行わせたり、
社会を統制し、
犯罪係数を用いて人を支配する仕組みを生み出すシビュラシステムに疑問を持ち、
その謎をといて崩壊させようとする
最初の方はひたすらサイコパスな殺人を手伝い続けるので
気持ち悪いなー頭おかしいのかなーと思っていただけなのですが、
話が進むにつれ なぜ彼がこんな行動を起こしたかがわかってくるようになると
ガラッと見方が変わってしまう。
「私は問おう、
己の意思を支配され、
ただシビュラの信託のままに生きる人間たちに
果たしていかなる価値があるのか?」
「シビュラに惑わされた人々は、眼の前の危機を正しく評価できなくなった。その意味では君たちも、あの哀れな羊たちと等しく愚かしい」
「これは、啓蒙のための道具だったんだ。人が人らしく生きるために、家畜のような惰眠から目を覚ましてやるために」
「誰だって孤独だ、誰だってうつろだ。もう、誰も他人を必要としない。どんな才能も、スペアが見つかる。どんな関係でも取替が効く。そんな世界に、飽きていた」
最期の方は どっちが犯罪者なのかよくわからなくなるくらいになる
めちゃくちゃ魅力のある犯罪者を描き切ったこの話に敬意を評したい。
#PSYCHO-PASS #サイコパス#槙島聖護 #狡噛慎也